鳥取・島根を拠点に、環境地質・測量補償・設計・新エネルギー・介護事業を展開。高度な技術で未来を創造します。

社長のちょっと聞いてごしない!
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NO.28
自分の言葉で語る
2012年03月
代表取締役社長 大野木 昭夫
 お客様のところで色々な質問に答えるとき、浅い知識で説明に苦慮した経験はありませんか。私たちは技術的な疑問や仕事で生じた課題を解決する際、技術書を読み勉強をしますが、果たしてそれを相手の視点で説明することができているでしょうか。自分が分かることと相手に理解してもらう間には、大きな開きがあることを理解しなければなりません。得た知識も、自分の中で整理工夫というひと手が入らなければ、その目的を達しないということです。
 
 私は先日、黄檗宗のお寺で説法を聴きました。和尚は、50歳頃でしょうか。若い時は相当のヤンチャをしていたという話でしたが、大学在学中に父親を亡くし、そこから修行に入り僧籍を持ったとのことでした。
 
 その説法のなかで、禅問答の体験を語られました。
 3年半に及んだ修行は、師匠からの一対一による禅問答で進められ、師匠が認める答えを和尚が導き出すまで一つの問題が何ヶ月も続いたそうです。そして何ヶ月もかけて「正解だ」と師匠から言われた答えは、ひと月前に自分が言った答えだったこともあり、なぜ以前教本を読んで答えたものが駄目で今回のものが正しいとされたのか、疑問が消えなかったとのことでした。そこで和尚が導き出した答えは、「本に書かれていることはすべて他人の声である」ということです。つまり、教本の文字面だけの理解では真の答えとなっておらず、自らの考えで導きだした答えになると真であるのです。

 私たちの持つ専門技術でも、集中力を持って学び、何故・ナゼ・なぜと問いなおし、深い理解にしていくことが重要です。これにより知識は智慧になり、更にそれを周囲と共有することで良い仕事につながっていきます。
日々の仕事でも、一つのことに集中する時間を自分の中で創り出す、そんな試みをしてみてはいかがでしょうか。

 最後に修行の話に帰りますが、禅の修業では午前3時に起床、読経のあとは草取り、掃除、食事と期間ごとに担当が入れ替わり、その作業に集中しないと見れば「喝」の"しっぺい(こん棒)"を受けます。集中するためには「草取りのときは鎌になりきる、食事担当のときは釜になりきることが修行である」ということでした。

 追記:黄檗宗は曹洞宗、臨済宗と並ぶ禅宗ですが、三つの宗教のなかでは一番遅く日本に入ってきました。また曹洞宗の道元、臨済宗の栄西は、中国で修行をして帰ってきた日本人ですが、黄檗宗の隠元は日本からの招聘に応じて63歳の時に弟子を伴って来朝した中国人です。弟子の一人がこの寺の開祖だそうです。ちなみに鳥取県は曹洞宗の寺が大変多く、黄檗宗は7寺しかありません。
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