鳥取・島根を拠点に、環境地質・測量補償・設計・新エネルギー・介護事業を展開。高度な技術で未来を創造します。

社長のちょっと聞いてごしない!
記事一覧
NO.76
一言の重み
2016年03月
代表取締役社長 大野木 昭夫


 年度末になる3月は、受注業務の完成検査ラッシュです。これまで心血を注いだ成果品がどのような評価をされるのか、担当者だけでなく上司も大変緊張する時期です。検査での対応は、何らかの指摘や質疑を受けた時に、決して言い訳などしないで時をおかずに的確な答えで対応し、謙虚に取り組む姿勢を見せてほしいと願っています。  
 また経験から言えることとして、完璧な完成書類などほとんどありません。指摘や質疑に対する迅速な対応力こそ、技術者の人間力であり、組織の技術力でもあります。  

 この時期になると苦い経験が私の脳裏をよぎります。20代後半に初めて現場代理人(現場の責任者)として、南部町に建設される賀祥ダム付け替え道路の完成検査を受けた時のことです。通常に建設工事の検査書類は、設計図に実際施工した出来形寸法を赤字で記入した完成図(俗名・赤黒対比図)が必需でしたが、私には誰も指導してくれませんでした。  
 その頃の建設会社は、指導できるほどの技術者がいませんでしたし、完成前の社内検査等のシステムはありませんでした。現場管理ではよっぽどわからないことは先輩に聞く程度で、後は見よう見まねで現場をなんとかこなしていくのが実態でした。

 さて検査が始まり、最初に検査官から完成図を出すことを言われた時、「それってなんだ・・・???」、完成図が必需だと知らされたときには冷や汗がダラダラ、頭の中は真っ白になってしまいました。
 その時、検査の立会いに来ていた部長が「彼はこの現場が初めての代理人でして、私の指導不足であります」と、即座に答弁してくれました。そして部長は「出来形寸法が測れるものは無いか?」と問われました。幸いにも現場の出来形を記入したボロボロの図面があり、その図面を基に現場での実測検査をして無事検査を終えることができました。
 あの時、一言サポートがなかったら、検査は目茶苦茶になっていただろうと今でも冷や汗がでます。

 人生では幾多の失敗があります。そして失敗の積み重ねが経験になり、人格を創っていくものだと私は確信しています。また管理者は、部下が窮地に立った時、自らが前面に出て部下の窮地を救う役割を率先していかなければなりませんし、部下は素直に救いを求める、そのような組織に育てていきたいと思っています。
このページのトップへ